官庁工事で指名停止を食ったり、これに加えて、民間の仕事すらキャンセルされてしまったりした業者があったとしても、建設業界ではどこかの会社の事実上の下請けに入って通常よりは低いがある程度の利益を得ることができるという、ありがたい慣習が息づいているのだ。おそらく、日本の産業界にはこんな温かくて、絆の深い業界はほかにないだろう。機械の貸し借り、人材の貸し借りといったことも系列だからということではなく、日常的によく聞く話である。
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だが、何と言ってもこういう相互扶助の精神は談合によって代表されているのである。「裏ジョイント」も、いまになって思えば、多分、談合で話し合われた指名停止業者の救済法であったと思う。ただ、こういうことが大手の範囲に限るのが残念と言うしかないのだが。だが、言い訳をすれば、それでもほかの産業のように丸抱えや系列化を強制しておいて不況になると平気で切り捨てるという不義理なことは余り聞かない。下請けとは言っても建設業の場合は、工事のたびに下請け契約を結ぶのであり、それぞれ独立した企業だから他産業のような丸抱えや系列化は余りないし、あったとしても兄弟あるいは親子にも似た固い絆で結ばれている。
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