大気汚染や室内空気の汚染などが問題になっているせいか、空気清浄機への関心が高まっているようです。換気が不十分でも、この空気清浄機があれば、いつも室内空気をきれいに保てるようなイメージがありますが、はたしてどうでしょうか。答えは否です。一般の空気清浄機には、空気中の二酸化炭素や有機性ガスを吸着する能力はありませんし、水蒸気も吸収してはくれません。空気清浄機が運転されていると、空気がきれいになっているかのような錯覚を覚えるかもしれませんが、それはあくまで換気の補助機能と考えるべきなのです。同様に、エアコンから出てくる冷風も、冷たいので新鮮な気がしますが、これはけっして清浄な空気ではありません。住宅の中の空気は意外に汚れていて、ホコリ検知器(クリーンチェッカー)などで見ても、戸外にくらべてホコリにあふれています。とくに、すき間が多くいつも気流のある家は、ホコリが空中にいつまでも浮遊しています。きれいな空気に接するためには、実際には、給気口から取り込まれた新鮮な外気を、空気が汚れないうち(空気齢が若い)に居住者が呼吸できるようにすることが大切なのです。この外気の給気口が居住者がふだんいる場所から離れた位置にある家や、すき間だらけの家では、せっかく給気口から取り入れられた新鮮な空気も室内で汚染され、居住者は汚染度の高い空気をいつも呼吸していることになります。とくに空気がめぐる経路の末端である排気口の近くでは、いつも汚染空気を呼吸することになるのです。換気計画を立てる場合には、このように居住者の位置と給気口、排気口の位置と高さを検討することが大切になってきます。その点、機械式の空気清浄機は、これら空気中のホコリを吸着する機能だけしかもっていませんから、換気機能の一部を負担することができるだけだと考えて、あくまでも補助的に活用すべきなのです。しかも、無風式の集塵機は集塵機のごく近くのホコリを取り除くことができるだけで、部屋全体の集塵には効果を発揮していませんし、強制循環方式の集塵機でも、タバコの煙の除去には効果があっても匂いは取りきれないので、過信は禁物です。まして、こうした換気計画もないままに建てられた家では、いかにこまめに換気するかが先決問題で、閉め切った部屋のなかで空気清浄機をまわしていてもかえって逆効果だといえるのです。
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