地価形成は売手買手の相互の経済的思念の合意によって自然的になされているが、そのうち正常なものを指摘するのが評価である。そして評価価格は地価の指標となるものである。このようにして評価価格は一応正しいものとみなされ、次の評価の規範となる。いわゆる評価の前例主義はこのようにして正当化されるのであるが、この前例主義を機械的に採用して前例価格を基盤にして次の評価を単純に行なうと、しだいに高値高値と地価を追い求めることがある。
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なぜなら前例価格が真に正しいものであるならば、正しく修正された次の評価価格は正常であるといいきることができるが、もし前例価格がいくぶん高目に評価されていると、次の評価はいくら正しくなされて価格は高目として残るであろうし、前例にわずかに高目に評価したと同じように次の評価にもわずかに評価を加減すると、つぎつぎに高目高目と評価されていくこととなる。前例にのみ機械的に依存して評価することは、よほどの慎重な態度を要する。鑑定評価基準では前例主義は取引事例比較法であり、これに収益価格率原価を拗案するように規定しているのはこの評価の欠点を知るからである。しかし現在行なわれている実務においては、必ずしも基準の理論どおりではなく、前例主義一辺倒であるように思える。
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